海野秀之(うんのひでゆき)の外部記憶
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上の子が一歳の頃だったはず。 自由に歩けるようになって、すぐ母の手を振り払って歩いていこうとする年頃。 その日も妻は注意していたに違いないのだが、スーパーのレジで小銭を出すのに 少し手間取っているうちに見えなくなってしまった。
必死に店内を探し回るも、みつからない。 周囲の客は、息子の居場所を教えてくれるどころか、 店内を小走りで探しまわる妻とぶつかりそうになるのを鬱陶しく感じているようにすら思われる。
いったり来たり走り回っていたら、店の出入口のあたりで、 また少し年配の女性とぶつかりそうになって、こう言われたそうだ。
「あなた、小さい男の子探しているの? さっきあっちに歩いていったわよ。」
と、なんと店の外を指さすという。小さい子(よちよち歩きといってもいい)が 一人で歩いているのを見たんなら、ひきとめてくれればいいのに!! *1
そう思いつつも、指さされた方向に走ってしばらく行くと、 たしかに、わが子が歩いていたらしい。
帰り道を教えたことなんかないのに、家のある方角へ。 ちゃんと歩道をあるいていたらしい。 買ってあげたおかしをひとつ持って。とぼとぼと。
後ろから呼びとめる。振り返って、母親の姿をみて、そこでようやく、 火がついたように泣きだしたんだそうだ。
最初から大泣きしてくれれば、まだ見つけやすかったのに。
間違っても、幼児がひとりで歩いて帰ることのできる距離じゃない。 途中なんども交差点があるし、歩道をあるいていたのも、そうすべきと知ってか知らずか。
いったいどんな気持ちで、この子はあるいていたんだろうか。
発見するのが、もっと遅くなってしまっていたら……。
この話を聞いたときの、締めつけられるような気持ちが甦ってしまって、 こないだ買ったスティーヴン・キングを読み進めるのが、かなりしんどい。
週末は読まなかった(会社においたまま)ので、まだ最初の方なんですが。
*1 当然ですが、このとき、この情報をもたらしてくれた女性には感謝しています。
今日の早川さんでは、岩波さんは純文学読みということになってますが、 岩波の守備範囲は広いですよ(ご承知の通り)。
http://madscientist.jp/~ikegami/diary/20070915.html#p01
そういや、そうでした。
「動いている物体の電気力学」を読みたいと思ったら、 文庫になってましたというのだから、 びっくりします。すごいぞ、岩波!
もちろん買って、読んで、「あー、電磁気ぃ。一応単位はとったよーなー」となったのは内緒である *1。 あ、電磁気学が苦手な人にも十分読めます。まちがっても、「相間本」にとっ捕まってはいけません。
*1 大学の教養課程で「電磁気」を履修するよりも前に読むのがいいかも。わしのように、勉強しなおしたい科目をたくさん抱えたおっさんになるのはお薦めできない。