海野秀之(うんのひでゆき)の外部記憶
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ちきゅう (ふしぎ・びっくり!?こども図鑑) を買った。
「おうちの外には、『ちきゅう』があるんやろ?」
長男(4才)が、最近急に「ちきゅう」に興味を持ち始めた。
うちに既にある図鑑の類にも、見開き1ページほどで地球と太陽系を扱ったページがあるのだが、 もっと「ちきゅう」について知りたいという。 そこで、「ちきゅう」について書かれた本を探しに大型書店へ。
「理科」とか「宇宙」とかいう題名の図鑑を選ぶことになるかと予想していたんですが、 最近の幼児向け図鑑だと、各社とも、ずばり「ちきゅう」というタイトルのものを出しているんですね。 つまり、「ちきゅう」は幼児にとってポピュラーなテーマであると。
以下、「ちきゅう」を読みながら長男を交わした会話の一部:
「うちゅうじんはいるの?」というページで、
長男「『うちゅうじん』はどっかにおんの?」
おれ「宇宙は広いから、きっといると思うけど、まだ見つかってないと思うよ。 (←図鑑の主張と同じ)」
妻「意外!『いない』って断言すんのかと思った。」
おれ「え、いると思ってるけど。(かつ、いるなら会いたいし。)」
妻「結構、ふつうに街中に紛れてるらしいよね。既に、地球人の振りして。」
おれ「いや、それはない。」
別のページに、ちきゅうに人が立っているようなイラストがあったのを指さして:
長男「これは、『うちゅうじん』?」
おれ「いや、これは地球で、この人は地球に立っているんだから、『ちきゅうじん』だよ。おれたちといっしょ。おれたちも地球に住んでる『地球人』だよね。」
長男「(絶句)!! ぼくらは、『ちきゅう』に住んでないよ。ぼくらが住んでるのは『おうち』やよ。」
おれ「いやいや。たしかに、ぼくらは『おうち』に住んでるけど、ぼくらも、『おうち』も、地球の上にあるんやで。」
長男「ちがうよ、『ちきゅう』は『うちゅう』にあるんやよ! 『おうち』は『ちきゅう』の上にはないよ!」
あはー、そうきたか!
実は、長男がなんとなく思い描いている「ちきゅう」と、 僕等がもっている地球のイメージとは、かなりかけ離れているんだろうなぁと予測してました。
きっと、幼稚園のお友達の口から聞いた「ちきゅう」に関するお話と、 自分のなかにある、世界に対する理解と、いま本で読んだ内容とを、 彼なりに総合しようとしている最中なんではないかな。
というわけで、長男には、「ちがうよ、間違ってるのはパパの方やよ!」 と言われてしまいましたが、「う〜ん、そんなことないねんけどなぁ」くらいにしておきました。
こどもには、いろいろな事に興味をもって欲しいし、 出来るだけ正しい情報にアクセスできるようにしておきたいと思うのだけど、 彼の頭の中のモデルを急いで無理矢理矯正する必要もないと思う *1 んで。
いろいろ、思い悩めよ、少年(まだ幼児)!
この本のなかでは、火山について書かれたページに特に興味をもったみたい。
長男「これはなに?」
おれ「溶岩。地面の下の方には、岩があつーくなって、とけたものがあるらしいよ。」
長男「なんで?なんであつくなるの?」
おれ「……なんでやろ?ぎゅーっと押し固められて、圧力で温度があがるの……かな? (こんな説明じゃわからんよなぁ。おれもわからん。)」
こんなことを話していると、生粋の理科ぎらいを自認する妻からも、こんな疑問が (以下は僕が要約したもの):
「地面にどんどん穴をほっていくと、人はその穴に落ちるやろ? でも、その穴をもっと、もーっと深くしていって、地球の中心をこえてもまだ掘っていったら、 どうなんの?中心を越えたところで、いままで下やと思ってた方向が下じゃなくなんのかな? こどものころ、こういうのが不思議やってんけど、考えてもわからんし、 こわいから考えるのやめてん。」
おお、すごい。そんなことを考えるお子さんが理科ぎらいになるなんて!
ところで、地球の中心はなぜ熱いのか?ちゃんと理解していない中年の俺様がここにいる。 熱力学(といっても、僕が知っているのは理想気体の)からの類推は多少……
*1 矯正しようとしたって、出来ないだろうし。