フリー・キャッシュフロー (FCF) が一定の比率で増加するとしたとき、 その企業の価値\(\textrm{TV}\) *1は、 初年度のフリー・キャッシュフローを \(\textrm {FCF}\), 資本コストを \(r\), 成長率を \(g\) としたとき、以下のように算出できる。
\[ \textrm{TV} = \frac{\textrm{FCF}}{r - g} \]
これは、等比数列の和の要領で、以下のように導出できる *2:
まず、資本コストと成長率から、\(\textrm{TV}\) は以下のように書ける *3。
\[ \textrm{TV} = \frac{\textrm{FCF}}{1+r} + \frac{\textrm{FCF} (1+g)}{(1+r)^2} + \frac{\textrm{FCF} (1+g)^2}{(1+r)^3} + \cdots \]
この式の両辺に、\(\frac{(1+g)}{(1+r)}\) をかけると、
\[ \frac{(1+g)}{(1+r)} \textrm{TV} = \frac{\textrm{FCF} (1+g)}{(1+r)^2} + \frac{\textrm{FCF} (1+g)^2}{(1+r)^3} + \cdots \]
となる。この2式の差をとって、
\[ (1 - \frac{(1+g)}{(1+r)} )\textrm{TV} = \frac{\textrm{FCF}}{1+r} \]
となる。この両辺を、\( (1 - \frac{(1+g)}{(1+r)} ) = \frac{r - g}{1 + r} \) で割れば、最初の「公式」が得られる。